ラヴェルが「音の魔術師」と言われる秘密

3月7日は私の大好きなモーリス・ラヴェルの誕生日です。ラヴェルと言えば、みなさんは「ボレロ 」が第一に浮かぶと思います。しかし私は、18歳の時に友人が弾いていた組曲「鏡」全5曲の4曲目「道化師の朝の歌🤡が第一に浮かびます。

友人の演奏するピアノを聴きながら何とも言えない音の世界に引き込まれました。赤と黒の世界。住む世界の違う男女の恋をイメージしました。私は幼い頃から、音楽を聴くと音楽や音が、色んな色で見えてきたりストーリーが浮かんでいました。妄想の世界に浸る感じです。

この道化師の朝の歌を聞いた時、作曲者はフランスの人なのに何でこんなにスペイン的なんだと思いました。後の研究者の文献を読むと、私の感じたものは間違っていませんでした。

この曲はセレナーデであり、伊達男と フラメンコ・ダンサー の一夜の恋のイメージを情熱的に描いた楽曲だと言われていました。音楽的には、ラヴェルのスペイン嗜好が濃厚に反映しているのが特徴であるとも書かれていました。

友達がピアノを練習する時に悩んでいたのが、ラヴェルのリズムと拍子感でした。それもそのはずこの曲は、楽譜では8分の6拍子に記譜されているけど、ファンダンゴという12拍子 (3連符4つ)のリズムが基になっていているのです。友人ははスペインの色を出すためにこのリズムの分析をしっかりしていました。これがまた複雑なんです。ピアニストのみなさんはそうそう、わかるわかるとうなずかれると思います。フラメンコのリズムが聞こえてくる時は本当にワクワクします。

ラヴェルが音の魔術師と言われるのは、この曲で表現しているような、巧みなリズムと拍子の変化だと私は思います。別の世界へと引き込まれる感じがたまりません。

この組曲「鏡」は全曲聞いても30分ほどですのでぜひ5曲とも聞いて欲しいです。ラヴェルが音の魔術師と言われる意味が聴けばわかります。心の鏡に映った幻影が必ず浮かびます。それこそがラヴェルの技だと思います。何かを見つけてください。

また、この曲は管弦楽や吹奏楽でも演奏されます。たくさんあるので検索して聞かれてください。私はピアノでの演奏が好きです。

https://youtu.be/NXcSkWouMqk

写真は…京都の清滝トンネル。この異次元の世界に引き込まれそうな感じがラヴェルの音楽です。

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